星から来た舟

 言っては悪いが、惰性で買って惰性で読んでしまった。まあ、そういう話である。

 ストーリーの構造は『カレンダーガール』に酷似しており、日常的なドタバタの最中に事件が起こるが、実は事件の犯人は実は善人であることが判明し、同情した主人公たちの活躍で力ずくでハッピーエンドに持っていく、まあ新井素子の十八番というべきパターンである。メインのストーリー自体はわりと単純である。上中下冊という量からいえば、はっきり言って冗長である。『星へ行く舟』シリーズの裏設定の解説に半分近く割かれていることと、登場人物の細かな行動の理由をいちいち細かく解説するという新井素子特有のスタイルに原因がある。まぁ、それは長所の一つと見てもいいのだが、ここまでになるとあたたかい目で見守るというわけにはいかなくなる。しょせんサイドストーリーでしかないのなら、ここは短くまとめて欲しいところであったが、よく考えたら短編は新井素子のもっとも不得意な領域なのだからしょうがないのかもしれない。

 『ネリマ大好き』、『星から来た舟』、『おしまいの日』と、今年に入ってすでに三冊も本がでている。新井素子が復活する日も近いのではないだろうか?(希望的観測)

 でも、あの時のような気持ちで読むことはもうできないんだろうな。

(PSYCHE)


Last-modified: 2006-09-18 (月) 04:20:53 (4385d)