マッカンドルー航宙記

 天才物理学者マッカンドルー博士の冒険活劇、と言いたいところなのだが、ちょっと待った!弱いぞ、マッカンドルー。

 第一話では凶悪犯に撃たれ重傷。第二話ではいきなり行方不明。第三話では捕られられそうになる。第四話では女に丸め込まれて死にそうになる。第五話では砂地獄にはまる。

 こんな窮地にたったマッカンドルーを助けるのが、宇宙船の船長ジーニーで、彼女の方が主役みたいだ。一応ジーニーの視点からこの「航宙記」は書かれているが、かのSHシリーズも視点はワトソンである(と思ったが)。どちらが主役でもかまわないが、卑しくも己の冠を題名につけているのだから、もう少し自重して欲しいものだ。

 とはいえ、マッカンドルーを責めてもしょうがない。天才的頭脳をもつがゆえに好奇心旺盛で誘惑に負けてしまったり、不幸な自体に泣かされているだけなのだから。”究極の教授”という看板はやはり重たい。負けるな、マッカンドルー。憎めないその性格をうまく利用するんだ。

 一方ジーニーが強いのは、経験豊富なこととカンが良いことなんでしょう。

 マッカンドルーとジーニー、なかなか良いコンビなんじゃないかな。

 本書はハードSFと位置づけられているが、ハード性を飛ばして読んでも(作者の本意ではないだろうが)、じゅうぶん宇宙冒険記として楽しめる。ハードSFを毛嫌いしている人にも読んでもらいたいものだ。

(K・小松)


Last-modified: 2006-09-18 (月) 04:34:50 (4446d)