ドラゴンVS不死身の妖婆

恐らくクンフー映画である。しかし主人公は喧嘩が強い程度のタクシー運ちゃんなので、いきおい策を弄して戦うしかない。なにしろ敵は不死身の老婆率いる3人の武道家日本人兄弟、まともに戦っていたら命がいくつあっても足りはしないのだ。だから主人公の繰り出す秘奥義・車アタックとかスイッチを入れた回転鋸に敵を押し付けたりとか、己の磨かれた肉体に頼らない方法はむしろ非常に合理的といって良い。頭脳派クンフー映画と言えよう(非転蓮華的な意味で)。

また内容であるが、ややもするとたるい/ワンパ/妹の目の手術なんて全然関係ないじゃないか!などと罵られる恐れすらある主人公パートの日常性・普通さを、敵たる日本人キャラクターを日常の破壊者/妄執の権化/大戦の亡霊として描くことでより際立たせることに成功している。

魅力的な悪役もクンフー映画には欠かせない。3兄弟もそれなりに素晴らしいキャラクタではあるが(ちなみに長男役は倉田保昭)、やはり不死身の妖婆だろう。なんといっても不死身なのだ。車アタックを何回食らってもピンピンしている絶大のタフネス、3兄弟への激烈なるシゴキ、日本人役なのに明らかにおかしい日本語(父はセプーク、母はジサーツ)など一度見た人の脳裏に必ず焼きついて離れない。そしてついに彼女が最期を迎えるとき、きっとあなたの心の中では熱いパトスが音を立てて沸騰していることだろう。

誉めているのか貶しているのかよく分からない文になってしまったが、これでなかなか演出は凝っている(ような気がする)。妖婆の再登場シーンなど下手なホラーよりも怖いぞ!それにしても台湾=親日ってイメージだったけど、ちゃんと作るもん作ってたんだなあ。(片桐)


Last-modified: 2007-04-11 (水) 01:19:08 (4064d)