あの、素晴らしい  をもう一度

われわれゲーム脳患者たちがゲームをセーブするとき、そこには多分大別して二種類の思惑が働いている。

  • もうそろそろこのゲームやめてご飯食べよう/寝よう/他のゲームやろう。
  • この選択肢であってるかどうか分かんないからとりあえずセーブしとこう。間違ってたらロードすればいいし。

ではその逆をいけばロードの目的が理解できるだろう。

  • よーしこのゲーム再開しよう。
  • 選択肢間違ってた!

面白いのは後者である。セーブ&ロードによる選択肢のやり直しはノベルゲームやシミュレーションゲーム、RPG等で利用できる。これによりプレイヤー自体は何度も失敗しながらも彼の操るキャラクターは一見無傷でエンディングを迎えることができるのである。そしてセーブとロードによる経験の蓄積がキャラクターに影響を及ぼすというのなら、セーブ&ロード能力を持つ人間もまた同じではないのだろうか?というのが「All You Need Is Kill」(桜坂洋)の趣旨だがそれはこの際あまり関係がない。

セーブロードセーブロードと連呼したがこのノベルゲームにはセーブスロットが一個しかない。ゲーム中にセーブすることもできない。それもそのはず1プレイには一時間もかからないのだ。だがしかし、セーブ&ロードの目的である「選択肢のやり直し」は「既読メッセージの表示」機能と組み合わされより柔軟に利用することができる。そして「選択肢のやり直し」自体をゲームのテーマとして据えることにより、その行為そのものの持つ隠れたゲーム性を引き出すことに成功しているといえる。

ゲームのシステムについて少し語ったがストーリーについてはそれをする必要を感じない。できるだけ自分と同じようなまっさらな状態でプレイしてほしいなあというのが僕の少しのエゴである。それに自分の感じた驚きを他の人に追体験してもらえなければ、レビューを書く意味は一体どこにあるというのだろう?

(片桐)


Last-modified: 2006-09-23 (土) 10:28:41 (4441d)